大学の入試問題作りは、仕事の中でも最もシビアなものの一つである。
単語一つ間違えても、マスコミはここぞとばかりバッシングする。
だから、担当者は春先から何度も会議を開き、知恵を絞り、点検に点検を重ね、極秘資料の保管に気を配る。
その入試問題を、全国の多くの大学で、秋の今から、短期間で、もう一つ作る必要がありそうだ。
国立大学協会が新型インフルエンザ対策として、「追試」を用意せよというのである。
そうなると、うちの学部では5教科で10科目作らなければならない。
人員削減などで仕事量は限界に達し、「ぜったい無理だ」という悲鳴も聞こえる。
科研費の申請時期とも重なる。
上から号令するのは簡単だ。
しかし、何一つ仕事が減らされないまま、先生たちには問題作成の重圧だけがのしかかる。
感染列島の知られざる苦悩を、だれか知ってほしいものだ。
(気分を切り替えて、今から広島に出張してきま~す。)