この『英作文1日1題』もそうで、基本文型を徹底して鍛える前回紹介の『英作文の基本文型』(1951)とはタイプがまったく異なる。
前著は1000本ノックのように、基本文型をバシバシたたき込む方式だった。
でも、こちらは徹底したトピック(題材)方式。
研究社の雑誌『高校英語研究』に連載したものを骨子としている。
でも、こちらは徹底したトピック(題材)方式。
研究社の雑誌『高校英語研究』に連載したものを骨子としている。
1月は「時間・時計・年齢」、2月は「天気・寒暖・季節」という具合に身近なトピックから入り、だんだんレベルを上げて、11月は「産業・政経・貿易」、12月は「行為・教訓・思想」といった高度なテーマを扱う。
3カ月ごとに4ユニットに分けられ、各ユニットの最後に各20問の練習問題が付く。
入試問題も織り交ぜて、関連したテーマに沿って例題を集めているのは見事だ。
前著を一通り仕上げた後で、本書に取りかかると実力が倍増するのではないか。
前著を一通り仕上げた後で、本書に取りかかると実力が倍増するのではないか。
解説が簡潔にして的確なのは前著と同じ。
一歩前進したのは、解答例が必ず2つ以上付けられていることだ。3つも4つも付いているものもある。
まずは、比較的易しい「原文に忠実な訳文」で、その後にレベルを高めた「こなれた訳文」が付いている。
こうした複数解答は、英作文参考書には絶対必要だと思う。
一歩前進したのは、解答例が必ず2つ以上付けられていることだ。3つも4つも付いているものもある。
まずは、比較的易しい「原文に忠実な訳文」で、その後にレベルを高めた「こなれた訳文」が付いている。
こうした複数解答は、英作文参考書には絶対必要だと思う。
「本書の活用法」は一級の英作文論だと思うので、全文を紹介しよう。
(1)「まず原文を熟読すること。そうしてその意味・内容をはっきりとつかみ、重要な点と、さほど重要でない点、幹と枝葉とを区別し、前者に焦点をあてるようにし、あまり細かい点は気にしすぎないでよい。」
(2)「原文を訳しやすい文に、適当に整理し、改めてみるがよい。」
(3)「完全に自分のものになっている易しい英語で大胆に訳すがよい。」
などなど。納得だ。
ただ、本書にも欠点はある。
索引がないことだ。
これはいけない。
参考書にとっては致命的な欠陥の一つだと思う。
ただ、同情すべき事情があったようだ。
「はしがき」によれば、「筆者は目下静養中のため、原稿の校正その他に十分の力をそそぐことが出来なかったことを残念に思っている」とのことだ。
「はしがき」によれば、「筆者は目下静養中のため、原稿の校正その他に十分の力をそそぐことが出来なかったことを残念に思っている」とのことだ。
少なくとも10年以上は版を重ねた本だから、静養が終わった時点で索引を付けた「改訂増補版」を出してほしかった。