希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

教育実習を終えて

高校での教育実習を終えた4回生のYuちゃんから、実習の報告と後輩へのメッセージが寄せられました。
本人の承諾を得て、ここに掲載します。

参考になりますよ!

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私は5月24日(月)から6月4日(金)までの2週間、母校の高等学校で英語科の教育実習をさせていただきました。

全体では26名、英語科は7名の実習生が、2週間あるいは3週間の実習に励みました。
和歌山大学の教員免許取得者の多くは小学校か中学校で実習を行うため、私のように高校で実習する人は少ないと思いますが、これを読んでくださるみなさんに何らかの刺激を与えられたら…と思い、書かせていただきます。
 
私の担当学年は1年生で、リーディングの「英語I」と、文法の「総合英語」の授業がありました。
私の指導教員の先生は、1年B組・E組・F組・G組を担当しており、私もこのクラスの授業に参加しました。
B組とE組は普通科で、F組とG組は理数系のクラスでしたが、1年B組の生徒は全員が系列中学校から進学してきた生徒で、E・F・G組は高校受験を突破した生徒たちでしたので、どのクラスも異なった学力・雰囲気を持っていました。

簡単に1日の流れを説明します。

実習中は、毎日8時ぐらいまでには登校しました。(ちなみに、体育科の実習生は朝から部活の朝練の指導などを行うため、7時ぐらいまでには登校していたようです。) 
校門指導を行った後、職朝を終えた指導員の先生と合流して、その日の生徒への連絡事項を確認して、朝のHRを行いました。

1限の授業は、8:40から始まり、1コマ65分で、5限までありました。初めは、指導員の先生の授業や、他の英語科の先生方・他教科の先生方の授業を見学させていただき、空きコマは教材研究等をしました。

実習4日目頃からは、実際に自分で授業を担当するようになり、休憩時間は再テストの指導にあたりました。
帰りのHR・掃除をして、放課後もまた再テストの指導をしたり、実習録を書いたりして、指導教員の先生と1日の反省や次の授業の打ち合わせをしました。

帰宅するのは、次の日の授業の具合によって、18時頃になる日もあれば21時頃になる日もありました。
研究授業の前日は、23時まで学校で指導していただきました。
帰宅後も教材研究をして、床に就くのは毎日午前2時ぐらいでした。

実習先の高校は授業のスピードが非常に早いので、もちろん実習生も普段のスピードで授業を行わなければなりませんでした。
また、毎回単語テスト・暗唱例文テスト・内容確認テストなどがあり、昼休みや放課後は、再テストの指導で休む暇もありませんでした。

すべての教科がそうだというわけではありませんが、特に英語はいくら教材研究をしてもし足りないぐらいなので、他教科に比べて教科研究等の時間は大幅にかかると思います。

また、自分の英語の知識の幅を広げて授業に臨まないと、生徒からのとっさの質問にたじろいでしまうので、実習までにはしっかり勉強しておく必要があります。

あと、授業に関係ある豆知識などをいくつか用意しておくと、生徒の関心が授業に向き、生徒の授業への集中が飛躍的に上がったように感じたので、何個かネタを用意していくと思います。

教科の指導以外にも、総合学習の授業も担当したので、それに向けての準備もしなくてはなりませんでした。

私は、総合学習の短歌を作る授業で、生徒の前で作例を提示したりしましたが、私自身がそれを恥ずかしいと思っていては生徒が堂々と活動できるはずがないので、恥ずかしさを顧みず短歌の内容を実演したり、クリエイティブに授業を進めました。
そうすることで笑いが起き、生徒も活動的になり、さらに生徒との距離も縮めることができました。
(ここでは、私の短歌の内容については控えさせてもらいます…。)

このように書くと、教育実習は大変な事だらけだと感じるかもしれません。
まさに、教育実習はとても「大変」です。

しかし、生徒との触れ合いの中で、生徒に「ありがとう」「わかりやすかった」「頑張っているのが伝わりました」と声をかけてもらえると、そんな大変さが吹き飛ぶくらいうれしい気持ちになり、「また頑張ろう」と思えるようになります。

同じ教育実習生の存在も大きく、いろいろな相談や苦労を共有できることは、非常に心強いです。

実習を辛かった思い出にするか、実りある素晴らしい経験だったと思うかは、自分の気持ち次第です。
こんな経験をできるのは、後にも先にも教育実習の時だけだと思います。
私はそう思うことで、毎日の実習がとても充実したものとなりました。

最後に、私の経験からまとめたアドバイスとしては、

① 一所懸命に取り組む。
② 生徒の中に積極的に入っていく。
③ 苦労を苦労と思わない。
④ 何事もクリエイティブに取り組む。

の4つを上げさせてもらいます。

教育実習は全てが同じというわけではないので、これから実習に行く予定の人も、自分なりの方法で素晴らしい実習を創り上げてください。