希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

東京大学予備門の誕生(1877)

1877(明治10)年、東京開成学校などを母体に東京大学が設立される。
だが、まだ中学校や高等学校が整備されていなかった。

そこで、東京大学に入学する者への準備教育機関として東京大学予備門が発足する。
ある意味では、東大が入学者を確保するために自前で予備校を持っていたのである。
夏目漱石正岡子規も通った学校で、のちに第一高等学校へと発展し、戦後は東京大学教養学部になる。

さて、その東京大学予備門だが、直接のルーツは東京英語学校
明治前期、大学では英語などの外国語でほとんどの授業が行われていたため、高度な英語力が必要とされていたわけだ。

そうした成立過程を明らかにする資料を入手した。
文部大輔(たいふ)・田中不二麿から愛媛県権令(ごんれい)・岩村高俊に送られた布達書である。

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1873年明治6年)8月に設立された東京外国語学校は、1874年12月にこのうちの英語科が「東京英語学校」として独立する。

その東京英語学校が、1877(明治10)年に「東京開成学校予科と統合されて東京大学予備門となり」とWikipediaなどには書かれているが、上の布達書には「東京英語学校ヲ東京大学予備門ト改称」と書かれている。

だから一次資料は面白い!