希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

伝説の傾いたラーメン店「まる豊」探訪記

和歌山ラーメンの伝説のお店「まる豊」をご存じでしょうか?

失礼ながら、掘っ立て小屋のようなボロい建物で、築67年。

傾き角度は12度を超えます。
そのため、玄関は自然の「自動ドア」で、開けると、あとは重力で勝手に閉まるのです。
紀ノ川に近いため、地盤沈下がひどいのだそうです。

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その「まる豊」に、ついに行って来ました。
大学から車で15分ほどなのですが、1回目は定休日、2回目は壮絶な待ち時間で、3度目の正直となったのです。

感動しました!
とても美味しいのです。

なので、ラーメン、グルメのネタはFacebookに書くのですが、今回はブログに。

9月7日(金)は午前中の教授会のあと、午後1時から大学院の修士論文中間発表会(M1とM2)、それに自主勉強会で、終わったのが8時半を過ぎていました。

お腹がペコペコです。

誰が言い出すでもなく「まる豊へ行きましょう!」

お店は混んでいましたが、幸い僕ら3人が座る座席が空いていました。
店内は8畳ほどで、10席のカウンターのみ。
壁一面に有名人やテレビ関係者の色紙が貼られています。

僕の注文は「中華そば」600円、学生らは大盛り(850円)でした。

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典型的な和歌山ラーメンで、スープは豚骨醤油、面は太からず細からずのストレート麺。
だし昆布も効かせています。

なんせ店が大きく傾いているので、左右の傾きを補正する「敷きテーブル」の上にラーメンを載せます。
この補正テーブルは建築業のお客さんのが無償提供してくれたとのこと。

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さらに、上下方向には10センチほどの「こぼさん棒」も必要。
丼の下(手前)に挟むのです。

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かくして、上下左右に傾きを補正して、ようやく「いただきま~す!」

いやあ、美味いです!
スープまで飲み干したのは久しぶりです。

麺のシコシコ感もいい。

マスコミでよく紹介されるので、ちょっと心配したのですが、シンプルにして実に美味しいラーメンです。

食べ終わったあと、お店が空いたので店主の豊田二郎さん、奥さんと歓談しました。
小まめに動く、働き者の店主です。

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お二人はともに三重県のご出身とのことで、「僕も三重県鈴鹿高専三重大学で教えていましたよ」とお話しすると、一気に盛り上がりました。

開業したのは30年前。

やがて、徐々にお店が傾いてきた(といっても物理的にです)ので、改装しようとしたら、常連さんから「俺たちは、いかにもひなびたこの雰囲気が気に入っているんだ」と叱られてしまったそうです。

なので、地盤沈下を止める鉄筋を地下に打ち込んだだけで、お店の改装は今後もしないつもりとのこと。
こうしたエピソードは「日本経済新聞」2010年10月7日号で紹介されています。

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美味しい味にも、店主夫妻の人柄にも惚れました。

74歳のおやじさんは、今後は伊勢名産の海苔を使った新メニューに挑戦中だそうです。

そういえば、メニューには「伊勢うどん」もありました。
伊勢うどんは僕の大好物。
今度、注文してみます。

和歌山の味を、伊勢の食文化が支えているのです。

三重から和歌山に移った僕を、ずっと呼んでいたのかもしれません。