希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

憧れの名著『日本漁業経済史』をゲット!

10月1日。いよいよ後期の開始。

火曜日の本日は、大阪大学国語学部へ。
いつもながら、新しい学生たちとの出会いは楽しい。

3限の「英語」の授業では、映画AVATARを使ってのオリジナル教材でリスニング。
(どうでもいいけど、僕のことを「訳読派」だとレッテルを貼っている人は、アホやね。(^_^;)

4限の「教科教育法(英語)」では、異文化理解教育論。
協同学習のためのグループ編成のあと、言語帝国主義と少数言語問題、EUの複言語主義、日本の方言の多様性などへと話が進んだが、さすが外国語学部だけあって関心はたいへん高かった。

「桃太郎」を各地の方言で聴いて当てるクイズを行ったが、ほとんどわからなかった学生も。
異文化理解の前提は、足下の自文化理解から。

授業が終わり、いつもの通り大阪難波古書店・天地書房へ。

久しぶりの店内に、あった!

羽原又吉(はばらゆうきち)博士の名著『日本漁業経済史』全4巻(岩波書店、1952-55)

しかも、続編である『日本近代漁業経済史』全2巻(岩波書店、1957)まである。

財布の資金で買えた!

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東京帝大で動物学を専攻した羽原博士は、ほとんど独学で経済史学を学び、空白域だった日本漁業経済史を大成した。

その業績をもって博士号を受け、朝日新聞社より1950(昭和25)年度朝日文化賞を受賞された。
http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/library/maincollection/habara-yukichi.html

敬愛する網野善彦氏も激賞していた名著がついに我が手に。
戦利品を引っさげて南海電車に。快感!

こうした本格的な歴史学の研究書を読まなければ、「日本英語教育史」の研究も薄っぺらなものになってしまう。

ちょど、昨今の英語教育をめぐる議論が悲しいまでに薄っぺらなように。