そのころの英語学習はどんな姿だったのだろうか。
その一端を示す史料をこのほど入手した。
第一益所日暦
といい、文庫本ほどのサイズの寫本14 丁。
ン万円したが、一部を気前よく公開してしまおう!(笑)
解読してみよう。間違いがあったらご教示を。
第一益所日暦 完
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紀元二千五百三十三年
研學日誌
第八月試檢後誌第一号
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八月
二十八日兼雨
英學査檢以為十等之二番
和英辭書草稿四枚
為使日本橋通四街目岡氏
二十九日曇時々小雨
筆算査閲初級之為一番
和英辭書草稿四枚
英文典温読六枚半
三十日微雨比午後一時晴
温読 英文典自六枚半際十五枚
受教洋算八〔?〕點除分回化分小数二小数加
法二三時間
英學三十三之直説法之章終十三行
和英辭書草稿四枚
致書翰故郷
三十一日晴 日曜日
和英辭書草稿四枚
釣於墨江
九月
一日曇時々有雨如風之激竹
温読 英文典自二十二枚半四枚半
受教文典十六行
始比例受五點宿題二
冩沼津比例四枚半
授教本橋氏日本外史
二日曇比午後二時晴
受教文典十五行
算術五題宿題二
温読 英文典自二十七枚五枚
冩沼津比例自四枚半三枚半
三日晴
和英辭書草稿三枚
受教文典十二行
比例四點宿題二
〔以下つづく〕
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なかなか面白い。
「枚」や「行」で学習速度を記録している。
文典とは慶應義塾系の「ピネオ」だろうか、それとも大学南校系の「カッケンボス」だろうか。
「和英辞書草稿○枚」というのは、誰かの辞書の草稿を借り受けて読んだり、写したりしたのだろうか。それとも辞書を執筆していただろうか。
「温読」ってなんだろう?
などなど、あれこれ考えを巡らすと暑さを忘れる。