希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

新発見! 司馬遼太郎は欧文社通信添削で学んでいた。

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司馬遼太郎(1923~96)の本名は福田定一
彼は1940年(昭和15年)に大阪高校(現・大阪大学)、翌年には弘前高校(現・弘前大学)を受験するが不合格。
1942(昭和17)年に、大阪外国語学校蒙古語部に入学した。大阪大学国語学部の前身である。

では、彼の苦しい受験勉強を支えていたものはなんだったのだろうか。
その一端を明らかにする資料が見つかった。
彼は欧文社(現・旺文社)の通信添削を受けていたのである。

9月1日の本ブログ開設日に紹介した『昭和十七年度 欧文社通信添削会員 合格者一覧 合格通知転載』を見ていたところ、大阪外国語学校蒙古語部の合格会員名簿に「福田定一」の名前があった(写真)。

私の調査では、1942(昭和17)年度の大阪外国語学校の合格者278人に占める欧文社通信添削会員は215名で、その割合は77.3%に達する。
これは、全国の高校・高専でもトップの占有率である。

その中に、福田定一少年(のちの司馬遼太郎)もいた。

この詳細は、11月15日(日)の日本英語教育史学会の月例研究会(京都)で報告する。
→研究会のご案内


いま僕は司馬の母校の後身である大阪大学国語学部で週1回「教科教育法(英語)」を教えている。
なんだか、因縁を感じる。