希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

英語教育

ゼミ生諸君、よく遊び、よく学ぼう!

よく遊び、よく学ぶ。 これが江利川ゼミのモットー。 「遊び」とは無我夢中になること。 そこに「学び」が目指すべき究極の姿があります。 などという理屈は後知恵で、「遊び」はとにかく楽しい。 ということで、6月23日のゼミは、「夏をどう遊ぶか」(具体…

自立学習者を育てる「教えない授業」

6月25日(土)は、三重県鈴鹿市の鈴鹿医療科学大学で開催された中部地区英語教育学会三重大会に。 問題別討論会の「アクティブ・ラーニングと英語教育」は大盛況でレジュメが足りなくなるほど。 翌26日(日)は英語授業研究学会関西支部 第27回春季研究…

協同学習による授業プラン作り

5月26日のゼミでは、協同学習を取り入れた授業プランの作り方について研究・議論し、さらに実際の授業実例から学びました。 参考にさせていただいたのは、上山晋平先生の新著『英語教師のためのアクティブ・ラーニング』(明治図書)に掲載されている授業…

5月28日(土)和歌山英語教育研究会

2016年度第1回和歌山英語教育研究会のご案内です。 今回は「英語教育達人セミナー」でも著名な大阪の上本晋之先生です。 私も今年1月に実際に授業を拝見しましたが、まさに名人芸です。 どうぞ、この機会をお見逃しなく! 日時:5月28日(土)13:00~16:3…

60万ヒットの御礼と今後の予定

ふと気がついたら、私のブログが60万ヒットに達していました。 こうして多くの皆さまと交流できますことが、とても嬉しく、また感謝しております。 これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。 さて、昨日も「今後の学校訪問や講演計画などを教えて下…

戦後英語教育史の発表とELEC春期講習

ブログの更新は久しぶりです。 Facebookにシフトしているせいもありますが、なによりも3月末に出す『英語と日本軍:知られざる外国語教育史』(NHKブックス1238)に追われていました。 やっと一息つくと思いきや、次の本の執筆に加え、日本英語教育…

12.19シンポ「経済格差と英語教育」(獨協大学)

12月19日(土)に埼玉県の獨協大学外国語教育研究所でシンポジウム「経済格差と英語教育」が開催されます。 新自由主義政策の下で広がる経済格差。 いま、家庭の経済力と英語学力が強く相関するというデータが報告されています。 頑張っても、お金がない…

ゼミ合宿 in 和歌山県有田川町

紅葉いまが真っ盛りですね。 なので、ゼミの秋合宿。 今年も和歌山県有田川町清水の古民家「やすけ」を借り切って行いました。 合宿は究極の協同学習。 山本君が編集してくれた感想集と、写真をご覧ください。 説明は不要ですよね。 和歌山の秋をお楽しみく…

協同的な体育の授業

11月18日は、大阪の熊取中学校を訪問してきました。 昨年の訪問から、ちょど1年。 協同学習を核とした「学びの共同体」を実践して9年目。 生徒たちは落ち着き、学力も驚異的に伸びています。 今回の授業は体育。 「アルティメット」というフリスビーの…

小中連携で「学びの共同体」の実現へ

10月21日、滋賀県の中学校を訪問してきました。 まず、社会科の授業を見学。 協同学習を取り入れ、ジャンプ課題ではアメリカ合衆国の人種問題を統計資料や地図を使って考えさせる高度な問題。よく準備され、考えられていました。 子どもたちには共通する特性…

『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』への書評に感謝(2)

ご紹介とお礼がすっかり遅くなってしまいましたが、拙著『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』(研究社、2015年7月刊)への2つの書評、およびテレビ報道に感謝申し上げます。 まずは、大津由紀雄さん(明海大学副学長)による「『いつか来た道』を辿…

この秋以降の講演・研究会・学校訪問など

備忘録をかねて、この夏以降の僕の講演・研究会の予定を書いておきます。 もし機会があれば、ぜひ交流しましょう。 (なお、どんなに忙しくても、安保法制(戦争法制)を廃止に追い込む闘いだけは続けなければなりません。戦争を招いてしまっては、いかなる…

安倍政権下の英語教育日誌4(2014年1月~3月)

連載の最終回です。 この間、安保関連法案に対する反対運動を紹介していましたので、第3回から間が空いてしまいました。 しかし、なんとしても安倍政権の安保関連法案は廃案させなければなりません。 これほどひどい憲法違反の法律を許してしまえば、文字通…

小学生の英語教育 歴史から学び、未来を考える学習会

小学校英語教育の歴史から学び、現在、そして未来の英語教育のあり方を考える講演・ワークショップを、9月13日(日)に大阪で開催します。 午前・午後にまたがる長丁場ですので、たっぷり学べますよ。 明治以降の小学校用の英語教科書、教師用指導書、英…

安倍政権下の英語教育日誌3(2013年10月~12月)

(まずは、つい最近に動きから) 2015年8月24日の読売新聞(電子版)は、「国立大に文系再編の波、26校が学部の改廃計画」と題するショッキングな記事を掲載した。 下村文部科学大臣は2015年6月に、法学部や経済学部などの人文社会科学系と教員養成系の学…

安倍政権下の英語教育日誌2(2013年7月~9月)

(前回の続きです) 2013年6月、和歌山英語教育研究会は稲岡章代先生(姫路市・賢明女子学院中・高校)をお招きしました。 7月 学会・講演会で英語教育政策に賛否両論 7月14・15日 第13回小学校英語教育学会沖縄大会が琉球大学で開催された。 基調講演は新里…

安倍政権下の英語教育日誌1(2013年4月~6月)

中教審の教育課程企画特別部会が8月20日、次期学習指導要領の改訂ポイントを集めた「論点整理(案)」を発表した。 2016年度中に予定されている中教審答申(次期指導要領の内容を提示)の方向性を決める文書として注目したい。 やはり、小学校英語を小3…

書評への感謝

8月17日の深夜に仙台から戻り、18日は朝から夕方まで和歌山大学で教員免許更新講習の講師でした。 題して「英語授業改善のあの手この手」。 体力的にはしんどかったですが、47名の受講生の先生方がとても熱心で、楽しい限りでした。 帰宅すると、出版…

フジテレビ「戦争と英語教育」特集

8月12日、フジテレビ系列の「あしたのニュース」の特集「戦争と英語教育」が放映されました。 拙著『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』と、その内容を伝えた朝日新聞(東京本社版)7月18日付夕刊の記事をご覧になった番組スタッフから取材依頼…

競争から協同へ

今年の6月に出た佐藤雅彰・齊藤英介(2015)『子どもと教室の事実から学ぶ:「学びの共同体」の学校改革と省察』(ぎょうせい)を読んでいる。 みずから授業改革・学校改革に尽力し、全国各地の教室を観察している著者だけに、まさに「子どもと教室の事実か…

大津由紀雄-直山木綿子対談が面白い!

文科省の教育課程課が編集している『初等教育資料』の8月号の特集は「これからの外国語教育の在り方」。 本日、大学図書館に届いたので開いてビックリ。 我らが「4人組」の大津由紀雄さんと、文科省教科調査官の直山木綿子さんが対談しているではないか。 …

この夏以降の講演・研究会の予定

来週で前期の授業も終わり。 以前だったら「夏休みだ~」という気分だったけど、最近は「待ってました」とばかり仕事が入る。 けど、今年はあと3冊本を書かないといけないから、できるだけ執筆に集中したい。 安倍政権には、山ほど言いたいことがあるから。…

10年前も「英語教科書と戦争」で1面トップだったが

7月19日(日)に東京北千住の東京電機大学で開催された日本英語教育史学会に先立ち、出版社との打ち合わせもあって18日(土)に東京へ。 東京駅のキオスクで、朝日新聞夕刊を買いました。 事前に聞いていた<英語教科書と戦争教材>の記事を見るためで…

新著『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』発売のご挨拶

新著『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』(研究社、本体2200円)が7月18日、発売になりました。 →研究社 →Amazon 幸いなことに、朝日新聞が取材に来られ、順調なら本日18日の夕刊に本書のことが掲載されそうです。 (ただし、関西は台風の被害が大…

6月27-28日 和歌山大学で中部地区英語教育学会和歌山大会

6月27(土)・28日(日)、和歌山市の和歌山大学基礎教育棟で、第45回中部地区英語教育学会和歌山大会が開催されます。 どなたでもご参加いただけますので、ふるってご参加ください。 (言いわけ:ブログの更新ができず、ご免なさい。この大会の実行委員長、…

拙速に進む英語教育 (小熊英二さんに感謝2)

英語教育政策の異常さが、英語関係者以外にも認識されつつあるようだ。 歴史社会学者の小熊英二さん(慶應義塾大学教授)が、2015年5月19日の朝日新聞東京本社版(夕刊)の「思想の地層」に「政策決定の背景 拙速に進む英語教育」を書かれている。 小熊さん…

小熊英二さんに感謝

今朝(4月30日)の朝日新聞朝刊には、日英対訳で安倍首相の米国議会での演説の全文が掲載されていた。 主権国家の長が日本語ではなく英語(しかも・・・)で演説すること自体に違和感を覚えたが、それ以上に内容に失望した。 アメリカなどでは、早くも「首相…

「グローバル人材育成」論を超えるために(ゼミ報告)

上位1割程度(実際にはもっと少ない)にだけ集中投資し、英語力のハードルを上げる「グローバル人材育成」策で、本当に「グローバル人材」が育つのか? 残り9割をかかえる大半の学校(大学を含む)の外国語教育をどうするのか? 具体的には、和歌山大学教…

4人組シンポジウム「東海の陣」6・13中京大学

今年もやります! 4人組(鳥飼玖美子、大津由紀雄、斎藤兆史、江利川春雄)の講演シンポジウム。 関東(獨協大学)、関西(関西外大)に続き、今回は東海の陣(中京大学)です。 日本の英語教育政策は「1割のグローバル・エリート」だけに特化したものでよ…

英語狂想曲

朝日新聞の金融情報面にある「経済気象台」には、ときどきハッとするような鋭いコラムが載る。 この欄は「第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆による」という。 3月31日のテーマは「英語狂想曲」。 簡潔にして、問題の核心を突いている。…