希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

2013-01-01から1年間の記事一覧

10.5講演会「子どもが主人公の英語教育と学校づくりの中で働く楽しさ」

1週間ほどベトナム、カンボジア(アンコールワット)をまわり、9月22日に帰国しました。 今日からまた研究モードに切り替えます。 で、さっそく研究講演会のご案内です。 2013年度第3回和歌山英語教育研究会のご案内 関心のある方ならどなたでもご参加いた…

公教育・義務教育としての英語教育を考える

大修館書店の『英語教育』10月増刊号が届きました。 いつものように、自分の「英語教育日誌」より前に、柳瀬陽介先生の「英語教育図書:今年の収穫・厳選12冊」から拝読しました。 文字通り、一気に読ませて頂き、たいへん感動しました。 特に感銘を受けたの…

シロウト英語狂想曲との闘いを:若林俊輔先生の「遺言」

本ブログのコメント欄で若林俊輔先生(東京外大名誉教授)の英語教育論が話題になっています。 なので、ひとこと書かせていただきます。 3.11原発事故の直後、「忌野清志郎が生きていてくれたらな」という思いが、突き上げるように起こりました。 同じように…

論争!「TOEFL問題」を読み解く:『新英語教育』10月号

新英語教育研究会の機関誌『新英語教育』2013年10月号が以下の特集を組みました。 論争!「TOEFL問題」を読みとく:日本人と英語の学力 5本の論考が掲載されています。 巻頭論文は、奈良勝行さんの「教育再生会議の『提言』は英語教育の再生か破綻かー『大…

4人組はがんばるぞ!(池袋の奇跡)

私たち「英語教育4人組」(大津由紀雄、斎藤兆史、鳥飼玖美子、江利川春雄)の怒りの書『英語教育、迫り来る破綻』(ひつじ書房)は、おかげさまで大変好評で、版元の社長によれば「我が社が始まって以来の売れ行き」だとのことです。 発売2カ月を過ぎた本…

朝日新聞「英語検定、競い合う」の違和感

8月29-31日は義父らが住む沖縄に行き、広大な嘉手納基地、オスプレイが配備された普天間基地を見学し、さらに反戦地主の知花昌一さんのご案内で、多くの住民が「集団自決」に追い込まれた読谷村のチビチリガマ(洞窟)などを見てきました。 コバルトブルー…

「授業は英語で」の重圧感(高校教員から)

2013年4月から実施された高校の学習指導要領では、英語の「授業は英語で行うことを基本とする」という方針が盛り込まれました。 これが、多くの高校の先生たちを苦しめています。 あろうことか、2013年6月に安倍内閣が閣議決定した「第2期教育振興基本計画」…

真夏の修士論文指導から韓国風鉄鍋へ

和歌山は連日35度を超す猛暑。 そんな猛暑の中、8月22日は大学院生に対する修士論文の指導日。 英語教育専攻とはいえ、5人(2人は現職教員)の関心は多様です。 現時点でのテーマは以下の通り。 ・小学校における英語教材の研究 ・中学校における協同学習…

シンポジウム:グローバル企業と政治家が歪める英語教育

8月23日(金)10:00-12:00 講演「大学入試にTOEFL!? 財界のグローバル人材要求で歪む英語教育をどうするか」江利川 春雄(和歌山大学) 場所:和歌山市勤労者総合センター大会議室 主催:和歌山県サークル連絡協議会他 和歌山県民間教育研究集会 第6回英…

協同学習を取り入れた模擬授業(リベンジ編)

前期最後のゼミは、協同学習を取り入れた模擬授業。 前回ダメ出しをされた3人がリベンジしました。 やれば出来るものです。 この1週間、悩み苦しみながら、どうすれば協同的で質の高い英語授業ができるかを模索し、助言を受け、見違えるほど良くなりました…

ゼミ夏合宿でリフレッシュ

記録的な猛暑の中、8月11-12日、和歌山県有田川町清水の「山荘アオ」で、エリゼミ学部生・大学院生合同の熱い夏合宿が行われました。 合宿は究極の協同学習。 各自が自分で役割分担を考え、自分と仲間の学び(と遊び)を最大限に高めるために行動します。 …

リフレッシュ講座でリフレッシュ

8月9日、大阪大学「教員のための英語リフレッシュ講座」が終わりました。 いつも思うのですが、英文学あり、英語学あり、英語教育あり、ネイティブによるレッスンありの5日間の集中講座が、たった1万円ほどで受講できるというのはすごいと思います。 ずっ…

協同学習を広げよう

英語科に協同学習を広げるために、また大学入試にTOEFL等などという無謀な政策に対処するために、この夏以降も楽しく頑張りたいと思います。 備忘録をかねて、当面の講演スケジュール等をメモしておきます。 ご参加いただける企画には、ぜひお越し下さい。 ○…

10・20 大津由紀雄・金谷憲対談

英語教育界の巨頭会談が、ついに実現! 大津由紀雄、同世代の英語教育研究者と語り合う (英語教育達人セミナー・一般社団法人ことばの教育共催 英語教育座談会) 大津由紀雄氏(明海大学教授)が、英語教育界に多大な影響力を持つ金谷憲氏(元東京学芸大学…

マララさんの国連スピーチに感動

マララさん 国連スピーチ 日本語字幕つき タリバンに狙撃され九死に一生を得た少女が、女性の権利回復、平等、平和のために教育の大切さを説く。 ぜひ英語教材にしたい感動の名スピーチ。 「グローバル人材」とは、TOEFLで高得点を取ることなんかじゃない。 …

『英語教育、迫り来る破綻』重版出来!

英語教育4人組(大津由紀雄・江利川春雄・斎藤兆史・鳥飼玖美子)による告発の書『英語教育、迫り来る破綻』(ひつじ書房、本体952円)が多くの皆さんに受け入れて頂き、発売1ヶ月の7月31日付けで重版(2刷)が出来、自宅に届きました。 自民党・政府・…

8.3和歌山英語教育研究会

まずは、本ブログが32万ヒットに達しました。 いつも、ありがとうございます。 <m(_ _)m> 和歌山英語教育研究会のお知らせ 8月3日(土)に、2013年度第2回和歌山英語教育研究会を開催いたします。 関心のある方ならどなたでもご参加いただけます。 ぜ…

8.5河内長野市で協同学習の講演・ワークショップ

大阪府河内長野市の中学校の先生からお招き頂き、以下の日程で協同学習に関する講演とワークショップを開催します。 日時:8月5日(月)13:00~16:00 場所:大阪府河内長野市立東中学校会議室 内容:講演とワークショップ「学力と人間関係力を育てる協同学…

模擬授業力の向上へ

7月22日、25日、30日と3回模擬授業を行いました。 22日に実施した3人が全員不合格だったことは、既報の通りです。 ゼミ生には、患者に接する医者のような責任感で生徒に接するようにと伝えてあります。 そのため、不勉強、準備不足、熱意と真剣みの欠如は…

協同的な学びの深化へ:「学びの共同体研究会」に参加して

協同的な学びを深く考える格好の機会となりました。 7月27-28日に伊豆の伊東市で開催された「学びの共同体研究会」第3回夏季研究会に、院生と参加してきたのです。 北海道から沖縄まで、全国から340人が集まり、文字通りの大盛況でした。 各教科の教員に加…

教育実習に向け模擬授業を開始

7月22日のゼミでは、9月からの教育実習へ向けて、3人が模擬授業を行いました。 屋我君によれば、「いつものゼミに比べて、かなり緊張感のある雰囲気で、3人とも教育実習に向けてかなり身が引き締まったと思います」とのこと。 それは当然でしょう。 教育…

「英語教育、迫り来る破綻」のその後

7月14日の4人組講演会「英語教育、迫り来る破綻:みんなで考え、行動しよう!」から、あっという間に1週間上が経過しました。 その後の動向をお知らせします。 1. まずは嬉しいニュース。 ブックレット『英語教育、迫り来る破綻』(ひつじ書房)の増刷(…

協同学習を取り入れた模擬授業へ

月曜日が休日だったりで、ゼミが「お久しぶり」といった感じです。 理論編はほぼ終わり、来週から3回生を中心に模擬授業の練習に入ります。 理論は実践に奉仕するためのもの。 協同学習を取り入れた授業を実際に効果的に行えるかが試されます。 ビシビシ行…

7.14講演会から7.20上智大協同学習講演会へ

7.14の4人組講演集会「英語教育、迫り来る破綻―みんなで考え、行動しよう」に関しては、さまざまな人が紹介・コメントされています。感謝です。 なかでも、広島大学の柳瀬陽介さんの「7/14講演会「英語教育、迫り来る破綻」に参加して」は、いつもながら深…

7.14講演会「英語教育、迫り来る破綻」の御礼

7月14日(日)に東京文京区の郁文館夢学園で開催された4人組の英語教育講演会「英語教育、迫り来る破綻―みんなで考え、行動しよう―」は、お陰様で大盛況のうちに終了いたしました。 (写真1 大津由紀雄さんの開会の挨拶) 全国各地からお集まりいただいたみ…

『英語教育、迫り来る破綻』を出発点に

日本の英語教育、外国語教育をこれからどうしていけばよいのか。 政治家や財界や官僚にまかせるのではなく、私たち一人ひとりが考えていかないと大変なことになる。 こうした危機感が広がっています。 この春の「大学入試にTOEFL等」という政府・自民党の政…

7.14講演会「英語教育、迫り来る破綻:みんなで考え、行動しよう」満員御礼

7月14日(来週日曜日)午後1時から東京で開催される英語教育講演会「英語教育、迫り来る破綻―みんなで考え、行動しよう―」は、会場収容人数を超える280名もの参加申し込みをいただき、これ以上は申し込みを受け付けられない状況となりました。 また、予…

自主的・自律的なプロジェクト研究

7月1日のゼミは、学生たちだけでの自主的・自律的なプロジェクト研究発表会でした。 私が院生を連れて中部地区英語教育学会富山大会に出席していた関係によるものです。 「教員が不在でも大丈夫かな?」という不安があったのも事実です。 ですが、フタを開…

グローバル企業と政治家が歪める英語教育:8.24阪大でシンポ

第6回英語教育総合学会 日時:8月24日(土)13:00-17:00 場所:大阪大学大学院言語文化研究科A棟2F大会議室 (豊中キャンパス:HP参照) 特別講演 この国の言語教育政策を考える-対症療法から原因療法へ 大谷泰照(大阪大学名誉教授) シンポジウム グロ…

『英語教育、迫り来る破綻』が届きました

「大学入試・卒業要件にTOEFL等」「小学校英語の教科化」「中学校の英語も英語で授業」・・・ 自民党・政府・財界の危険な英語教育方針に異議を唱えるべく緊急出版される4人組ブックレット『英語教育、迫り来る破綻』(ひつじ書房、定価952円+税)の見本本…